住友ゴム勉強会

開催日: 2025年11月20日(木)〜11月21日(金)
開催場所: 宮城県仙台市「ナノテラス」

Nano Terasu 外観去る11月21日、住友ゴムによるAJAJ向けの勉強会が行われました。タイヤメーカーの勉強会であれば、通常実際に装着車のステアリングを握って行われますが、今回はまったく異なるアプローチでのコンテンツです。具体的には仙台にある「Nano Terasu(ナノテラス)」へ足を運んでのレクチャーでした。

ナノテラス 講義スライド「Nano Terasu」は、太陽光の1億倍以上の明るさをもつ放射光を使い、物質をナノレベルで観察・分析する研究施設です。目玉は“巨大な顕微鏡”と呼ばれる設備。世界最先端クラスの技術がそこに備わっていました。ナノは1メートルの10億分の1の世界。その領域で、基礎科学はもちろん、エネルギー、材料、デバイス、バイオ、食品など幅広い分野での研究が進められています。この施設は世界をリードする高い技術を持っているので、ご興味のある方は注目するといいと思います。

住友ゴムがそこで行っているのは水に関する研究のサポートです。水を知ることでのタイヤの研究開発に着目しました。言わずもがなゴムと水の関係はウェット性能を高めるための重要な項目です。今、タイヤのトレンドはオールシーズンタイヤの性能アップ。その意味でもシンクロウェザーをラインナップする住友ゴムにとって水の研究は欠かせません。

講義を行っていただいたのは東京大学教授の原田慈久氏。物性研究所極限コヒーレント光科学研究センター軌道放射物研究施設の施設長であり、シンクロトロン放射光連携研究機構の機構長でもあります。要するに第一線の専門家。“軟X線”やら“放射光”などといった聞きなれない言葉を使って研究結果を論じてくれました。

ユニークだったのは、水がタイヤにとって悪いことばかりしているわけではないかもしれないというお話。タイヤの断面図を使って「染み込んだ水がタイヤ表面の水膜を安定化させる?」といったテーマには思わず前のめりになります。

住友ゴムからは、常務執行役員の松井氏、研究開発本部長の上坂氏、同本部先進技術・イノベーション研究センター長の岸本氏が出席されました。原田教授もそうでしたが、みなさん気さくな方ばかりで、Q&Aでは我々AJAJ会員の質問に丁寧に答えてくださりました。

常務執行役員 松井氏ナノテラス 勉強会風景研究開発本部長 上坂氏研究開発本部先進技術・イノベーション研究センター長 岸本氏ナノテラス 勉強会風景昼食を挟んだ午後は、リアルにナノテラスの視察です。日本の放射光施設の現状と当該施設の説明を受け、その後原田教授の解説のもと、実際に使われている軟X線ビームラインの近くまで足を運びました。貴重な経験です。

ナノテラス視察 説明風景ナノテラス視察風景というのが今回組まれた住友ゴムのAJAJ向け勉強会でした。普段とは異なる目線でのタイヤに対するアプローチはかなり感動モノだったと思います。またこういった機会があることを期待します。そしてそれとともに、原田教授の今後の益々のご発展をお祈りします。

(参考資料)
ナノテラス https://nanoterasu.jp

ダンロップ展示風景
■参加者(24名)
一条孝/太田哲也/大音安弘/片岡英明/桂伸一/川島茂夫/日下部保雄/九島辰也/斎藤聡/塩見智/清水和夫/鈴木直也/高根英幸/滝口博雄/竹花寿実/西村直人/松田秀士/丸山誠/森川オサム/諸星陽一/山崎元裕/山城利公/山田弘樹/吉田由美