SNSで飛び交う様々な情報に対して、正しい知識をメディア関係者に提供
2026年7月28日、BYDは海外の自動車メーカーで初の軽BEV“RACCO”で日本の軽市場に参入した。その後行われた公道試乗会での試乗記事など“RACCO”を取り扱った記事に対して、SNSなどでは事実に基づいていない書き込み散見されている。2026年9月29日、日本市場に最初に導入した ミドルサイズSUV、“ATTO 3”の第二世代モデル、“ATTO 3 EX”の販売開始のタイミングに合わせて、新製品の商品解説と最新技術の説明をAJAJ会員とメディア関係者に行った。
前輪駆動の“ATTO 3”は後輪そして四輪駆動を設定する“ATTO 3 EX”に進化
会の冒頭、東福寺厚樹 BYD Auto Japan代表取締役社長からBYDのビジネスの近況が紹介された。2026年1月~約8月の販売台数は、補助金や税制の変更を行った中国では151万台と対前年比マイナス41%と厳しいスタートとなった。しかし海外は116万台と対前年比プラス86%と好調で、特にブラジル、オーストラリア、イギリスでは販売が伸びており、これは世界的な原油不足によりNEV(BEV+PHEV)需要が高まったもの。また前半不調だった中国市場も後半に入り、1.5MW急速充電対応車と急速充電ネットワークのセットで回復不調になっていると話す。
”RACCO”を発表した注目の日本市場は、国産・輸入車BEVが対前年比を大幅プラスとなる中、BYDはマイナス32%と苦しいスタート。この厳しいスタートは、CEV補助金の減額が多く影響していると分析する。その一方でPHEVのシーライオン6は、7カ月連続で輸入車PHEVの第1位となるなどBEV+PHEV合わせて対前年比プラス38%とBEVだけでなく、PHEVを導入するなど選択肢の幅を拡げたことが功を奏したようだ。そして11月にはPHEVのコンパクトSUV“ATTO 2”の導入予定で、”RACCO”と合わせて新車販売台数の上積みを狙っていくと決意を話してくれた。
続いては、田川博英 BYD Auto Japan商品企画部部長が、第二世代へと進化した“ATTO 3 EX”を紹介。外観の変更点は、樹脂製のバンパー、ヘッドライト、Cピラートリム、リアスポイラー。そして18インチホイールのデザインに留まっているが、中身は新型に相応しい進化を遂げている。
まずはCTB(セルトゥボディ)を採用し、従来の前輪駆動から後輪駆動へと駆動方式を変更。さらに待望のAWD(四輪駆動)モデルを追加した。システム用のブレードバッテリーの容量を58.56kWhから74.88kWhへと拡大。急速充電器の受電能力も85kWから100kWへとパワーアップ。その結果、満充電の航続走行距離はRWDが620km、AWDも550kmと延長している。
搭載するモーターもパワーアップしたことを受けて、サスペンションもフロントにデュアル・ボールジョイント式マクファーソンストラット。リアに5リンク式サスペンションへと構造変更。さらにセッティングも変更することで、安定したハンドリングとパワフルな走りを両立している。インテリアでは、コラムシフトへの変更をはじめ、フロントシートのヘッドレストをセパレート式に、そしてAWDには車載温冷庫をクラス初搭載するなど利便性を向上させている。
現在、世界中で最も厳しい中国の安全基準をクリア
三上龍哉 BYD Auto Japan技術顧問はまず、SNSなどで「バッテリーの位置が低い」、「バッテリーが剥き出し」と誤った情報が多いブレードバッテリーの安全性について説明。熱安定性の高いブレードバッテリーは、堅牢なアルミニウム製のバッテリーケース、そしてグラスファイバーコンポジット製の下面保護版に覆われていて、BEV先進国である中国のEV電池新国標である中国国家標準(安全基準)GB38031-2025をクリア。このGB38031-2025は熱暴走後2時間経っても発火・爆発なしという厳しい基準だ。これは旧規格のGB38031-2020Wをアップデートし、2026年7月1日に施工されたばかりだが、BEVでは技術の進歩と同じくらい法整備も早いスピードで進んでいる。
また、最近の水害にも触れ3.5%の塩水に付けての耐久試験も行われており、SNSなどで言われている電池への不安を払拭した。そしてOTAを利用した車両の乗っ取りなどにも触れ、国連欧州経済委員会で採択されたUN-R155、UN-R156を適用しており、ハッキングや遠隔操作、不正アクセスの脅威からクルマを守る自動車のサイバーセキュリティに関する管理体制を求める規則を守っているとのこと。電池やクルマへのサイバーセキュリティに対しての不安を払拭している。
そして最後はSNSなどで話題になることが多いBYDのアフターサービスについては、山本直樹 アフターセールス部 部長から説明された。BYDの新車には、ロードアシスタンスの付いた6年15万km新車保証が付くのをはじめ、8年16万kmの高電圧部品保証。そしてシステム用バッテリーの初期容量70%以上のSoH保証を行っている。また大黒にある部品センターには97%という高い部品調達率で安心をアピールした。
耐久性に関しては、まだ日本市場に導入してから3年しか経過していないため、これからしっかりと証明していきたいと話すとともに、ユーザーの信頼性も得られるように一層の努力をしていきたいと締めくくった。
| ■参加者19名(敬称略、五十音順) |
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| 会田肇/石川真禧照/一条孝/内田俊一/岡崎五朗/大久保力/大音安弘/菰田潔/佐藤篤/佐藤耕一/塩見智/鈴木直也/髙橋アキラ/高山正寛/加瀬幸長/萩原文博/山崎明/山城利公/吉田由美/ |



