国土交通省ITS勉強会

開催日:2011年7月11日
場 所:国土交通省

ITS(高度道路交通システム)の構築のためのITSスポット(監視カメラ)の設置が全国の高速道路上1600か所で完了したとのこと。

どんなことが可能となるかというと、たとえば首都圏の高速道路の最適ルートを探索できるようになります。と言ってもすでに多くのナビでできるのですが、より広範囲に圏央道の内側部分である約800の中でどのルートが最適かがわかるようになるそうです。

たとえば、東京から名古屋に向かう際、東名高速が事故で渋滞していたら中央道を勧めるらしい。また、実際の安全運転支援として、高速道路の落下物やブラインドカーブ先での渋滞情報をドライバーに伝えることもできます。

そう聞けば役に立ちそうなシステムですが、問題は伝達方法だろうと思います。

実際にどういう方法でドライバーに伝えられるかというと、カーナビを通じてとのこと。

ここで注意しなければならないのは、ITS付きナビを新たに購入しなければならないことです。国土交通省では今後5年間で約1000万台のITS対応のカーナビの販売を予測しているそうですが、購入に際して特に補助金もなく民間任せです。

そうなるといったい何個のナビが売れて何人のドライバーがITSの恩恵に預かれるのかということになります。

そもそもナビ自体、まだまだすべてのドライバーが利用しているわけではないし、新たに購入しなおすとしたら、いつになってITSのサービスが浸透するのであろうかと思います。

安全面から言えば、道路状況はすべてのドライバーに共有されるべきで、一部の限られたドライバーに詳細情報が届くよりも、多少情報量は浅くてもすべての人に情報伝達できる方が安全性は高まると思います。

現在までに250億円をかけてITSスポットが設置したそうですが、ナビの普及はこれから民間任せというのではいささか不確定要素が強すぎはしないかと思います。

まあ今更言っても仕方がなのですが、後付けの付加装置を作って今までのナビでも使えるようにしたり、道路脇の電光掲示板などで落石情報を流すなどして、より多くのドライバーが有効活用できる方法を実施していただきたい。

 

●AJAJ会員からあった質問・意見

  1. それでなくても諸外国に比べて高い高速道路料金にさらに転嫁することになるのではないか。
  2. ある特定の企業のビジネスに利用される懸念はないか。
  3. モータージャーナリストなどの専門家に相談してほしかった。
  4. 実際に事故を引き起こしている人は安全意識が薄い人が多いはず。そうした人がITSナビを購入するとは思えないが 。
  5. 現在はNEXCOのHPを携帯でみれば長距離道路予想は可能で、ITSがなければ困るという状況にないので、ITSナビが普及するとは思えない。
  6. 実際にモータージャーナリストもナビを装着していない人も多く、つけていてもポータブルナビだし、複数台所有者も全車にはつけていないのが実態だ。
  7. 今後日本は観光国となるべきなのに、さらに外国人が運転しにくい道路環境になるのでは。
■参加者(敬称略、五十音順)
太田哲也、岡島裕二、菰田潔、鈴木健一、伏木悦郎、藤島知子、諸星陽一、米村太刀夫