アンガーマネジメント勉強会 その2

開催日:2012年6月22日
場 所:国際文化会館

のっけから爆弾発言を承知で告白してしまいますと、大体においてモータージャーナリストという人種には短気でせっかちな人が多いのではないかと推測出来ます(これは私の主観ではありますが、なかなか真に迫った解析であることを自負しております)。

それはこの不況風吹きすさぶ中で持論を全うすることを生業とする、という難儀な職業がそうさせるのか、はたまたそもそもの素地として短気でせっかちなほうがジャーナリストに向いているのか、その理由までは定かでないのですが、かくいう自分も含め実感としてそんな傾向にあるように感じておりました。

しかし短気と運転はその両極に存在する、いわば反対語と言っても過言ではありません。とすればAJAJ会員の抱えるストレスは相当量に達すると思われます。

去る6月22日、都内某所にてアンガーマネジメント勉強会が開催されました。

講師を務めて下さったのは日本アンガーマネジメント協会 公認ファシリテーターである米加田啓介氏。

米加田啓介医師AJAJとしては勉強会や母と子のラクラク運転講習会などでAED(自動体外式除細動器)の講習を担当されているという米加田氏ですが、AJAJ新会員の私は初対面でした。クルマ好きが高じて中古自動車販売業も経営されているという米加田医師ですが、本業は医師。しかも近頃某有名美容整形科にヘッドハンティングされ、ご栄転されるというスゴ腕でいらっしゃいます。

アンガーマネジメント。

聞き慣れない言葉ですが、”Anger=怒り””Management=管理”の言葉通り、怒りをコントロールする方法を学ぶ心理教育です。

1970年代にアメリカで始まったとされるこのメソッドは、もともと”不安”をコントロールする方法として9.11以降急速に広まりました。政治家・ビジネスマン・弁護士・医師・スポーツ選手(ex、NFLの若手選手教育)などが積極的に取り入れており、州によっては交通違反者にこのアンガーマネジメント講習を義務付け、受講しなければ免許を返還しないというシステムも取り入れているほど認知度の高いもの。確かに、交通社会を見渡してみても、怒りから引き起こされる事故・トラブルは枚挙にいとまがありません。

怒りは”喜怒哀楽”のうちのひとつ、単なる感情のひとつであるにも関わらず、表面に表すことによって一番失うものの多い感情だからです。

怒りはクルマを失うだけでなく、人間関係を壊し、お金やビジネスを失い、健康までも害します(なんと怒りは免疫力を落とし、心筋梗塞の引き金にまでなりうるのだそう!以前ER勤務医をされていた米加田医師のお話に身が引き締まりました)。

しかしアンガーマネジメントは”怒るのをやめましょう””皆を愛しましょう”という自己啓発的な精神論ではありません。

“怒りをコントロールし、イライラを感じる頻度を減らす方法論”なのです。

怒りは誰にでももともと存在する感情であり、無くすことは出来ません。その怒りを出すべきところで出し、適切に怒ることが大切。

常にキー!!となりやすい人、いつもガミガミ怒る人はこのマネジメントが最も出来ていない人ということになりますね。

それから一番大切なことは、その怒りを自分のストレスに変えないために、怒りの感情から来るイライラを低減させること。

怒りは身近な存在に一番感じやすい感情だと言います。これが出来るようになれば夫婦間・家族間・もちろん恋人に対してもより良い関係を築けるようになるんですって。

米加田啓介医師 講演風景この講習では最も短期的に効果を出せる方法として、自分の怒りをスケーリング(測る)することを教わりました。

ここしばらくで感じた自分の怒りを書き出し、0~10の数字にランキングします。

冷静になれば案外自分の怒りがたいしたことのないモノだと思えるものですが、それを怒りを感じた瞬間に行えるようにすればかなりの怒りは低減できるのだそうです。

また、怒りを持続させないために、怒るのを止めること(ストップ・シンキング)も効果的で、怒りは初めの3秒、ないし5分抑えられればかなりの激減を望めます。

たしかに、例えば親や兄弟・友達や彼氏と喧嘩をしても一旦思い返してみれば「なんであんなに怒ったんだろう?」なんて思えることがよくありますよね。

それには怒った瞬間に何か別のことをするグラウンディング(米加田医師によれば、自分の携帯電話に付いた傷を数える等でもかまわないとのこと)を行うといいそうです。

勉強会風景面白く感じたのは魔法の呪文を唱えるという”コーピングマントラ”。これは怒ったときになにか自分が我に返られる呪文を用意しておく、というもの。ちなみに米加田医師は『上戸彩・上戸彩・上戸彩』と唱えるのだそうで(笑)、怒った時も彼女の顔を思い浮かべて冷静になることにしているのだとか。これは別の講習会でも以前知ったことですが、ハッピーな気持ちを持続させるのにも勧められました。何かショックなことや落ち込みそうなことが起こったときに唱える・もしくは思い浮かべる(頭を強制的にその事柄から逸らせる)のです。

私見ですが、これにはあまり身近でないものの名前のほうがいいかもしれません。いくら好きだからといって恋人の名前なんかにした日には、その本人が原因の怒りを感じた時に唱えたら火にアブラを注ぐ結果になりかねませんものね。

怒りは出すのも出されるのもイヤなもの。

勉強会風景趣味で怒っている人も中にはいますが、その怒りをぶつけられてイラっとし、また別の相手に当たり散らす、という悪い連鎖が起こるのも怒りの特徴です。

勉強会の最後には普段短気を自称するメンバーからも活発に質問が寄せられ、大変意義のある時間をいただけました。

貴重な経験をさせてくださった米加田医師に、心より御礼を申し上げます。

自分の一時の感情ですべてを失わないために…、今も継続してスケーリングを続けている私です。