ZFジャパン・ワークショップ その1

開催日:2012年7月13日

ZFジャパン・ワークショップ風景AJAJからのメールでも案内状が届いた通り、7月13日「ZFジャパン社」が、会社紹介を兼ねた技術解説の勉強会を開催してくださいました。AJAJからの出席者は20名ほどで、ご用意いただいた会議室が満タン状態になりました。

「ZF社」は、硬式飛行船1号機としてのLZ-1を開発した《フェルディナンド・フォン・ツェッペリン伯爵》にルーツを持ち、飛行船にとって重要な機構であった歯車に関する技術を用いたユニット類を生産するようになったそうです。

歯車と自動車といえばトランスミッションやファイナルギヤ、ステアリングギヤなど数多くあり、「ZF社」は、そのようなユニット類に加え、バスやトラックなどを含めた総合的な走行安全システムの開発も行っています。また、2001年には、ショックアブソーバーに関するサプライヤーである「ザックス社」がグループに加わったことによって、クルマのシャシーに関するサプライヤーとして磐石の体制が、更に充実しました。

勉強会の内容は「ZF社」の概要紹介や歴史などに続き、ATについては「8速ATのメカニズム」「9速AT設計のコンセプト」などの説明がありました。「ZF社」は、FR用トランスミッションとして8速仕様を設定しており、次世代に向け、横置きエンジンに対応した9速ATが、すでに完成状態にあるということです。この9速ATがどのクルマに搭載されるのかは分かりませんが、ZF社としては、CVTよりもギヤ式トランスミッションの将来性のほうに注目しており、実際の開発も、その方向に向いているようです。

ZFジャパン・ワークショップ風景さらに技術面に関して「ダンパー技術を中心としたシャシ・テクノロジーの紹介」「バスの安全性を向上するコンポーネント」などといったことに関する技術説明などがありました。

勉強会の最後に「Q&A」の時間が設けられ、そこでのQとしてはAJAJ会員ならではの鋭い質問もありましたが、ごくごくシークレットな内容のほかについては、どのような質問に対しても言葉を濁すことなく、技術者としての知識を元にした明解なお答えをいただき、質問者も皆、満足した様子だったことが印象に残った勉強会でした。

■参加者(敬称略、五十音順)
有山勝利、石倉敏、太田哲也、岡本幸一郎、日下部保雄、九島辰也、五味康隆、近藤暁史、鈴木健一、鈴木直也、竹岡圭、近田茂、津々見友彦、長嶋達人、中村孝仁、西村直人、伏木悦郎、松任谷 正隆、丸山誠、森野恭行、吉田由美、米村太刀夫