東日本大震災活動 斉藤慎輔レポート

報告日:2011年4月12日

被災地にまた行ってきました。今週末までにまた向かう予定です。

 

○支援概要

前回(3月25日~4月4日)に続き4月9日早朝に宮城県岩沼市に入り、9日、10日の2日間だけですが、また被災地での支援物資の配布などを行ってきました。今回は自転車も23台持ち込みました。

現地で使用した車両はハイエースワイドボディと4トントラックです。いずれの車両も「緊急」車両指定を受けてます。

 

○活動地(今回訪れた場所)

宮城県岩沼市、名取市、石巻市

名取市館腰小学校(避難所)に自転車20台。名取市在宅被災者に自転車を3台。石巻市介護施設(グループホームひかり)に大人用おむつ、リハビリパンツ、パッド等を大量に。石巻市矢本地区、渡波地区の在宅被災者数十世帯に衣服、靴、生活用品多種、食料、薬他をワンボックスバン(ハイエースワイド一台積載分)を配布。

 

○支援物資について

宮城県岩沼市在住のGPライダー伊藤真一さんを中心とする有志や仲間内により自ら購入した物、またブログ上などで募集して集められた物資です。企業の協賛もあります。下手なスーパーの倉庫以上に物資が集まりました。

 

○被災地での支援物資の状況

ニュースなどでも知れるように、行政が管理あるいは把握している避難所では、保管場所に困るくらい余り出してます。

もっとも、避難所内で個々に話を聞くと、本当は欲しい物はあるのですが、避難所に暮らす人達の一人当たりのスペースはごく小さく、衣服にせよ日用品にせよ、多くを置いておくことができません。このため、一人一人に渡る物資が限られています。現在、多く必要なのは強いていえば、ドライシャンプー(水のいらない)などでしょうか。

また、行政が管理する避難所では、平等が原則となっているので、一人一人に同じ物が渡ることが求められます。つまり、1000人の避 難者が収容されていれば、原則同じ物が1000個いるということになります。ここが、とくに個人レベルで支援を行う際にはネックとなります。

一方、避難所から出て在宅となった人達、あるいは当初から在宅の人達は、いまだ物資が足りていないところがあります。さらに、在宅の人達は、ライフラインが復旧していないところに住んでいる人が多く、それに対応した物資が求められています。

また、ライフライン復旧とともに支援物資が打ち切られてます。(石巻市の例)。ガソリン事情は改善されましたが、クルマも被災して使えなくなった人や、とくに老人世帯では、なかなか買い物ができる場所まで出かけられないのが実情です。

ようやく行政でも、こうした人達の把握に動き出したので、今後は少しづつ改善されていくと思いますが、まだ支援は必要かと思われます。

今回は、持っていった自転車の一部は、こうした人達にお渡しできました。

 

○いま求められているもの

前回の報告で、多く求められている物は自転車と記しましたが、実は避難所の原則「平等」がネックになってます。皆に渡らない物は出せないということです。

ちなみに、今回は、届ける避難所と事前に打ち合わせをしておき、自転車が欲しいという人達に、届けた自転車の中からこれが欲しいというのを選んでおいてもらい、後ほど抽選で決めるという方法をとりました。

持ち込む前には、まず避難所のまとめ役と相談する必要がありますが、こうした方法をとってもらえる避難所も限られています。

今後は、仮設住宅や市営住宅などに移り住む際の支援物資も求められてきそうです。仮設住宅に関しては、冷蔵庫や洗濯機など家電6点は備わるそうですが、その他の生活物資等は自前で用意ということになってます。市営住宅などは家電の支援もありません。そろそろ避難所用に用意した物資はストックしておいて、仮設住宅等への引っ越しが始まった時点で、そうした人達のために配布するということが必要になってくるかもしれません。

今は、避難所では医者やマッサージ師など身体のケアができる人、あとはカウンセラーなど心のケアができる人が必要となっていると聞きます。AJAJのボランティア活動でも、そうした人達の送迎を行っているようですが、今回訪れた避難所では、いずれもそうした方がすでにおりました。

 

○ライフラインについて

海岸沿いの被災地は、どこも壊滅状況なのでライフラインの復旧はまったく目処がたってません。また、それに近い地域や高台にある住宅地なども、いまだ電気、ガス、水道とも復旧していないところも多くあります。当然、信号なども作動してません。ただし、南三陸町のように、いち早く電柱の復旧作業を開始し、間もなく送電が開始されるところもあります。

一方、津波の被害から免れた地域では、ライフラインの復旧が進み、日常の生活を取り戻しつつありましたが、7日夜に起きた強い余震により、再び電気や水が止まったところが多くあります。すでにそうしたことを経験済みであるはずの石巻市でも、8日早朝から電気量販店に懐中電灯や電池を買い求める人で長い列ができました。

10日深夜時点で、宮城県内の石巻以南においてもこの余震で断水したままのところを多く確認してます。

買い物、食事については、津波の被害を直接受けた場所以外は、ほぼ通常営業になってますが、コンビニ等ではトイレが使用できないところは多くあります。

燃料供給については、4月に入って急速に改善されました。宮城県では、津波の被害を直接受けた地区以外、問題なく給油できます。

 

○道路状況について

高速道路、有料道路は、陥没や亀裂の補修が急ピッチで進み、まだ段差等はあるもののほぼ問題ありません。また幹線沿いはガレキの撤去が完全になされ、市街地も大勢のボランティアが入ったせいか1週間前とは比べものにならないくらいガレキが片付けられだしてます。多くは一般車両でまったく問題なく走れます。

ただし、住宅街はまだ倒れた家屋やガレキが山積みで道幅が狭く、放置された車両などもまだ多く残されたままです。さらに、7日夜の強い余震で、亀裂や陥没、路肩崩れ、マンホールの突出などの箇所がさらに増えました。幹線は補修工事が行われだしてますが、住宅地や幹線以外でがそのまま放置されているところも多くあります。とくに夜の走行では細心の注意が必要です。

また、海水と泥水が混じった大規模な水溜まりが残る道路もまだあります。こうしたところをクルマで走行した際は、下回りを含めてしっかり洗う必要があります。

 

○まとめ

避難所にいる人も、被災しながらも在宅としている人も疲弊してます。「頑張ってください」という言葉も気をつけて使わないといけないようです(添付写真を参考にしてください)。