東日本大震災活動 津々見友彦レポート

報告日:2011年5月13日

テント群4月5日(火)~4月7日(木)の2泊3日のスケジュールで石巻に被災者支援に行きました。全員、あの惨事をテレビで見て、何かしたい!という強い思いに突き動かされたのです。

当初は大型バスで避難される方々を輸送することを想定しましたが、乗員の保険の問題などもあるため、我々には荷が重すぎるということで、セレナとキャンターハイブリットの2tトラックで人員の移送と荷物輸送をすることになりました。

キャンター配達西村さんがキャンターを三菱ふそうさんからの借り出しに尽力。その引き取りと返却まで担当して頂きました。お疲れさまです。

滝口さんは直前でドクターストップになりましたが、当日と後日の荷物の積み降ろしを担当して頂きました。また、出発の際、普段買えない美味しいお握りやドリンク剤を沢山カンパして貰いました。旨かった!ありがとうございました。

 

●チームだから出来ました。

今回はミニバンとトラック、二輪車を持ち込み、さらに食事、宿泊など全部自己完結で行くため、前準備が大変でした。

問題は沢山ありました。水のポリタンク、また燃料が入手しにくく、ジェリ缶が必須でしたが、これも入手が難しい。またレトルト食品も入手出来ず、一時は渋谷ではトイレットペーパーも売ってない時期でした。

 

●救世主出現

タンクや食料が入手出来ず困っていた時、橋本玲さんが、「僕も参加しますよ~」と手を挙げてくれました。そして何と、ポリタンもジェリ缶も、さらにはレトルト食品も燃料も全部彼が手配してくれたのです。

ジェリ缶は日下部会長や近田さんからお借りしたのも含め、ガソリンと軽油はそれぞれ80リッターが用意出来燃料の問題は解決。また水タンクも近田さん、橋本玲さんと滝口さんの提供で80リッター分を確保。自前分と共に被災地域に届けられることとなりました。また、テントなどキャンプ用具なども近田さんと橋本玲さんに用意して頂きました。

 

●快適なキャンターハイブリット

近田さんのトレールバイクと橋本さんのスーパーカブを搭載。クルマが入れない場所ではバイクで荷物を届ける予定。

初めてキャンターハイブリットを東北道で走らせましたが、第一印象は「乗り心地が良い」ことでした。後にノーマルのキャンターにも乗りましたが、こちらは乗り心地が硬くてやや辛かったです。

ハイブリッドの乗り心地が良かったのは、車重の重さが乗り心地に好影響しているようでした。また静粛性も高く、その意味では長距離でも楽でした。100km/hクルージングで楽々、10km/Lの燃費が出せ、このままだとジェリ缶の燃料が余るのかと心配したぐらいでした。

 

●身の丈のセレナをチョイス

セレナをチョイスしたのは新型が燃費、居住性、走行性能など、バランスがよく、扱いやすいと思ったからです。被災地なので、あまり賑々しいクルマよりも身の丈に合ったセレナが程よいかなとも思いました。クルーズコントロールも装備されていて、途中の東北道では楽に運転出来、快適でした。

 

●ジャンピングスポット連続の東北道

仙台近くになると東北道は路面つなぎの段差補修が多く、100km/hで通過すると足の固めなクルマでは強烈にジャンプ。けっこう疲れました。ですが、素早く補修したあたりはさすがだと感心しながら通過しました。

 

●基地は石巻専修大学キャンパス

石巻ボランティアセンターは専修大学のキャンパス内です。ボランティアの沢山のテント群がならび心強い思いがしました。

基地昨夜は深夜に到着、近田さんはキャンターの運転席で。橋本さん達はテントに。私は一番温かなセレナに・・。

だが、温かなはずのセレナは就寝時はヒーターを掛けていないので、明け方の3時頃には寒くて寒くて目が覚めました。鉄板とガラスからしんしんと冷えてきました。外気温は零度以下です。スリーシーズンタイプの寝袋ではやはり無理がありました。その点テントは布のためと二重のルーフのために実は温かいとのこと。知りませんでした。また橋本玲さんは事前にテントが張れるかどうか、現地に電話し、調査してありました。さすがです。

 

●シェフ橋本、大活躍

シェフ橋本今回、食事は全部橋本玲さんが担当。何しろ予算がないので、激安で・・ということで、彼が腕によりを掛けてくれました。ほぐしたイワシのお握りや、特製ペーストの盛りご飯、それにお昼のスペシャルホットドッグなど何れも美味。彼がこんなに食のセンスが良いとは知りませんでした。おかげで充実した食生活が送れました。

でも事前の仕込みが大変だったと思います。また、燃料の補給など面倒なことは全部引き受けて貰い、橋本さんに感謝です。それから籠島さん、調理のためにお宝の大型電子レンジを自宅から持ち出してもらいお陰で温かな食事が出来ました。寒い夜空の下、助かりました。ありがとうございました。

 

●難しいニーズとのマッチング

朝ボランティアセンターで我々の出来る仕事を登録し、保険にも無料で入れてくれました。どこのボランティアセンターでも今後有効とのこと。

ほとんどのボランティアの仕事は、片付けやら汚泥の掃除の様子。我々のような人員移送や、物資の輸送のニーズは簡単には見つかまりません。

そこで、ボランティアセンター前で、医療マッサージのチームの人を見つけ、「ミニバンで移送をしますよ!」と声をかけると、「是非、お願いします」と感謝され、翌日の予約も貰いました。ミニバンチームは仕事が決まり、1日目は籠島さんが担当。2日目には橋本さんも参加しました。だが、キャンターチームとバイクチームは無職のまま。

 

●出前パンク修理

一方、トラックとバイクチームはボランティア団体「ピースボート」傘下に入り、仕事を待機。しかし、物資移送はすでに運送会社が担当。またバイクでの物資輸送もがれきが道路にあった初期は必要だったらしいのですが、道路は基本的にがれきは撤去されていてほとんどが通行可能な今はニーズがなさそうです。(一部路上に大きな漁船が転がり通行止めの個所もありましたが・・)

1日目、橋本玲さんはパンク修理道具をスーパーカブに搭載して市内にパンク修理に出かけました。帰還した彼によると、自転車のパンク修理2件とクルマのタイヤの空気の補充の成果があったとのことでした。