みんなの楽ラク安全運転講習会2015

自動車ジャーナリストとして交通安全への啓蒙活動も大きなテーマの一つです。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)ではそんな活動の一助となるべく、今年も「みんなの(旧「母と子の」)楽ラク運転講習会」として、4月11日～12日の2日間にわたって実施いたしました。

この講習会は、2009年より毎回約10万人もの来場者が訪れる「モータースポーツジャパン(主催：日本モータースポーツ推進機構)」との併催で行われているもので、今やお台場の恒例行事となっています。会場はこれまでと同じ東京臨海副都心特設会場(東京・お台場)。前回までは秋の開催としていましたが、今年は東京モーターショーが10月下旬より開催されることになり、その日程と重ならないよう、半年ほど早めての開催となりました。

第一日目は午前中だけあいにくの雨模様となりましたが、昼頃には天気が急回復。会場は両日とも多くの来場者で賑わいました。その一角で開催した「みんなの楽ラク運転講習会」には、第一日目で652名、第二日目に1723名の来場者が訪れ、とくに二日目は各プログラムとも順番待ちが出るほどの賑わいを見せる人気ぶりでした。

プログラムは、毎年人気を呼んでいた“ロールオーバーシミュレーター”が残念ながら定期メンテナンスで開催できず。しかし、“急ブレーキ体験＆ESCデモンストレーション”“楽ラクパーキング練習”“タイヤの空気圧講習”“チャイルドシートの効果と急ブレーキ同乗体験”“チャイルドシート相談コーナー”“死角の確認”はこれまで通り開催。それぞれのコーナーではAJAJ会員が担当し、適切なアドバイスを行いました。

一番人気となったのは前回と同様“急ブレーキ体験＆ESCデモンストレーション”でした。このプログラムは水を撒いて滑りやすくした路面で、急ブレーキや急ハンドルをあえて行い、ABSやESCの効き方と効果を体感できるもの。参加者からは同時に「シートベルトの重要性も身をもって体感できる良い機会だった」との感想もいただきました。

毎回、意外なほど高い人気を呼ぶのが“死角の確認”です。大型車(トラクター)と乗用車、スクーターの3台を置き、それぞれの車両で生まれる死角を確認して頂こうというものです。一見、とても地味なプログラムですが、めったに乗れないトラクターに座れるとあって、小さなお子さんから大人まで多くの人が体験されました。

私が担当したのは“タイヤの空気圧講習”です。適正空気圧を記載しているシールが貼ってある場所は知っていても、チェックはディーラーやスタンド任せだったり、チェックするにしても半年～1年に1回程度という方がほとんど。我々の「タイヤは異常がなければすぐに空気圧が低くなることはありません。しかし、こまめに点検することでタイヤの亀裂や釘などが刺さっていることを見つけるきっかけになります」との説明に、多くの方から「タイヤにもっと気配りするよう心掛けます」との認識をしていただきました。

予想以上の来場者を迎えたことで十分な対応ができないこともありましたが、今年も多くの方にとって普段では味わえない貴重な機会を経て、交通安全に対する啓蒙につながったことは確かです。一方で、6月からは自転車利用者に対する取り締まりがより厳格化され、そんな中で自転車との関わり合い方についても講習の対象にする必要があるとも感じました。今後もこうした機会があることを周知させ、より多くの人に体験していただけるよう心掛けていきたいと思います。