AJAJ出光興産勉強会レポート

過日出光興産株式会社のメディア向け勉強会が行われた。

出光興産 勉強会風景

ICEと呼ばれる化石燃料を使用するエンジン車から電気とモーターを使用するEVへの転換期となっている現代、出光興産の役割について興味を持ちAJAJからの案内で参加にこぎつけた。石油元売り会社でもある出光興産ではあったが堅苦しくないフレンドリーな雰囲気で始まり、とても安堵した。

出光は1911年創業とのこと。2019年に出光とシェルが合併統合し業界2位となり全国に約6000ヵ所のガソリンスタンドがあるそうだ。ちなみに最初のガソリンスタンドは140年前にアメリカバージニア州で始まったと教えてくれた。思いの外近年である。もちろんクルマが地球に現れてからおよそ100年なのでその前から何かしらの“燃料”という観点で石油は開発されていたようだ。

すべてのメーカーを含んだ日本でのガソリンスタンドは1994年の60,421サービスステーション(SS)をピークに減少し、2023年には27,414SSまで減少。55%も減ったということになる。一方セルフSSは年々増加し、2023年には10,829SSと全体の40%を占めるまで増加したそうだ。

そのような状況のなか、出光は中長期目標として、2030年にカーボンニュートラル実現に貢献し、2050年には「スマートよろずや構想」を掲げている。また一般市民にはなじみはないが、潤滑油の製造、そして全個体電池の開発も行っているとの説明があった。

車両用潤滑油では世界第8位。様々な部位に使用されている。オイルの粘度を表す“0W-20”は日系OEMと共に世界初投入したそうだ。工場充填用では0W-8も存在するらしい。近年のエンジンオイルはいわゆるサラサラ系が増えているが、「よく回るエンジン」には出光のような企業が開発したオイルがあったから…というのがよく理解できた。

極低粘度油はハイブリッド車にも有効だそうだ。例えば純ガソリン車が高速道路を走った場合油温は100℃前後だが、ハイブリッド車の場合は70℃台。エンジン油温が上昇しないハイブリッド車で性能を上げるためにもサラサラ系が有効だったようだ。クルマの進化とともにエンジンオイルも変わりつつあるということがわかる。

さらに新開発GLV-2というオイルは常用温度域では低粘度で、高温での粘度は従来油と同等にできるようで、様々なクルマに対応できることになりそうだ。

EVにもバッテリー冷却用や駆動系に専用オイルも存在している。動く物体には常にオイルが必要だ。レースに対応できる植物由来の原材料を用いたエンジンオイルも発売したとのことで、挑戦をし続けていることに共感した。

出光は全個体電池の製造にも着手している。原料から製造してきた出光だからこそできる石油精製技術が応用できるとのこと。長年のノウハウが活きている。

市民に関わるガソリンスタンドの話に戻ろう。「スマートよろずや構想」では木材を活用したSSやEV充電ステーション、ランドリーサービスやホームエアコンクリーニングなど、多岐にわたる事業を計画している。地域密着型のエネルギー&モビリティ拠点になりそうだ。

技術の結晶が市民と交わる街としてイメージできる素敵な勉強会だった。