トヨタ・モビリタ勉強会

開催日:2006年8月1日〜2006年8月2日
場 所:トヨタ交通安全センター・モビリタ

8月1日と2日、トヨタ自動車のご好意により、AJAJ会員向けのモビリタ・安全勉強会が開催されました。

自動車事故による死者数は減少傾向にあります。しかし、ここ数年、事故件数は増えています。事故を減らすためには、ハード面を充実させるだけでなく人に関わるソフト面を充実させることも大事です。そこでトヨタ自動車に勉強会の開催をお願いしたのですが、参加してよかったと思える実のある勉強会でした。場所は富士スピードウェイのなかにあるトヨタ交通安全センター・モビリタです。午前の部と午後の部があり、今回用意して頂いた講習では、1回の参加者は5名前後となっていました。

カリキュラムは、大きく分けると2つです。最初の講習のテーマは「トヨタの交通安全への取り組み」でした。社会貢献推進部の内川重信部長が、この部を発足した目的や取り組みの姿勢、社会貢献活動などについて語ってくれました。交通事故ゼロをめざす人とクルマ、そして交通環境の三位一体活動、交通6悪と呼ばれる交通事故の人的な要因などについて分かりやすく解説してくれましたが、非ドライバーに向けた交通安全啓蒙活動にも並々ならぬ力を注いでいることも感じ取れる内容でした。

もうひとつが、今回の勉強会のハイライトとなる「トヨタドライバーコミュニケーション」講習会です。驚いたことに05年度は、モビリタで160回も開催し、受講者数は5000人にのぼりました。これ以外に、東京・港区台場にあるトヨタシティショーケース・メガウェブでも、500人が受講しているそうです。

一般・個人向けプログラムと企業・団体向けプログラムがありますが、今回の勉強会では両方を織り交ぜた講習となりました。

神野利夫チーフインストラクター
最上級ランクのテストドライバーの指導を行うという神野利夫チーフインストラクター。

指導していただいたのは、トヨタ社内のテストドライバーのなかでももっともランクの高い、S2ドライバーの指導に当たっている神野利夫チーフインストラクターです。神野氏は講習概要の説明をしながら「安全は挨拶から」とおっしゃいました。また、認知、判断、操作の基本の見直しや死角の確認について説明した後、慣熟走行に入っています。 神野氏の「きょうは何度も事故を起こしてください」との激励が耳に残ります。

体験走行は、高速からのフルブレーキングや低ミュー路でのブレーキングが中心です。体験走行ではABSやVSCの効果を確認しました。最後の総合走行では、受講者すべてが、すべてに優しい運転、周囲の安全確認を心がけて走ったと思います。その結果、自然に安全運転に対する謙虚な姿勢が生まれたようです。ついつい慣れてしまって安全に対する意識が薄れていたことを痛感した1日でもありました。

この勉強会に出て、安全運転のレベルアップに対する意識がちょっと変わるなど、とても有意義でした。また、こういう機会があれば受講してみたい、そう思わせる実のある勉強会だったと思います。得られるものが多いので、今回、参加できなかった方は次の機会にぜひ参加してみてください。