ボッシュESC&クリーンディーゼル勉強会 CleanDiesel編

開催日:2009年1月30日〜2009年1月31日
場 所:ボッシュ株式会社 栃木工場/塩原試験場

2009年1月30日(金)・31日(土)の2日間に渡り、ボッシュの栃木工場&塩原試験場にてボッシュ勉強会が開催されました。

参加者は当初、先着30名とのことでしたが、早くから多数の参加希望者が募り、キャンセル待ちが出るほど。ボッシュ様のご好意で参加人数を増やしていただき、31名のAJAJ会員が参加しました。

1日目は、ボッシュ栃木工場に15時集合。あいにく低気圧の接近に伴い、那須附近では場合によっては雪も予想されるということで、いつもより電車で参加している会員の姿が多く見受けられました。ここでESC(横滑り防止装置)や駐車アシストシステム、ミリ派レーダーなどの先進技術について約1時間、休憩を挟み、続いてクリーンディーゼルのプレゼンテーションを約1時間、その後翌日の試乗方法などの説明が行われました。

ESCと先進技術は岡島さんからレポートされるということで、私のほうからはクリーンディーゼルのレポートをさせていただきます。

今回、ボッシュの勉強会が開催された経緯としては、私が一昨年よりボッシュ関連のお仕事をさせていただいている中で、「ボッシュ」は長い歴史と多くの先進技術を持っているにもかかわらず、なかなか一般ユーザーには認知されていないため、広くアピールしたいと考えていることを感じました。そこで、まずはAJAJ会員の方々にボッシュの会社や製品、技術などを知ってもらい、それをユーザーに発信してもらってはどうかと考え、提案させていただきました。また、日本未発売のクリーンディーゼル車のラインナップを一度に試乗することは、国内ではボッシュでしか体験できず、AJAJ会員のみなさんにとっても絶好のチャンス。ディーゼルの進化や車種別の特徴などを実感し、ユーザーへ発信していただければと思います。

ご存知のとおりディーゼル車といえば欧州、特に西ヨーロッパ諸国では乗用車の約4割を占め、販売台数は右肩上がりなのに対し、日本では石原都知事のパフォーマンスや黒煙のイメージなどまだまだネガティブな印象が根強いのが現状。しかしディーゼルはクリーンディーゼルへと進化を遂げ、同排気量のガソリンエンジンに比べて燃費は約30%向上、トルクは約50%アップ、CO2排出量は約25%低減。この日いただいたボッシュの2008年4月時点での資料によれば、長距離移動の多い北米や、中国、インドなどの新興国でも今後ディーゼル車が伸びる可能性は高く、2016年には全乗用車の3割程度がディーゼル車になるのではないか、と予測されていました。しかし、2008年の原油高騰後でも軽油の価格はガソリン価格に比べて下がらず、現状では価格差が少なくなっていることや、急激な世界同時不況下で、このデータ通りとはいかないかもしれないという懸念も。

またコストが高い、質量が多い、振動や騒音が大きい、NOX(、窒素酸化物)が発生しやすい、といったディーゼルの課題に対し、クリーンな排出ガスのための燃料噴射システムとして主流となっている「コモンレール」システムを搭載。

また、従来より高圧に増圧された燃料を1回の燃焼で3~5回に分けて噴射させる「ピエゾインジェクター」(ディーゼル燃料用の噴射ノズル)を使い、燃焼や吸排気を制御しています。しかし「ピエゾインジェクター」はコストが高いため、高性能車や高級車、また排ガス規制の厳しい先進国向け、小型車や新興国向けにはカジュアルプライスの「ソレノイドインジェクター」といったすみ分けをしているとか。

また、エンジンから排出されるPM(粒子状物質)をフィルターで集めるDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)、NOXと還元剤になる物質を吸蔵して浄化効率を向上させる「NOX吸蔵還元触媒」、「尿素SCRシステム」など排ガス浄化技術を使ったり、ボッシュがデンソーと共同開発しているディーゼル用「パティキュレート・フィルター」などを量産するなどして、今後更に厳しくなる排ガス規制に対応していく、といった話がなされました。